住宅ローン控除中でもふるさと納税は損しない。確定申告に注意

台の上のみかん箱から1個だけこぼれ落ちるイラスト。確定申告してしまうと自己負担9,555円、ワンストップなら2,000円 費用と補助金

住宅ローン控除を使っている間も、ふるさと納税の上限は下がりません。住宅ローン控除を所得税から引ききれていない年に、ふるさと納税を確定申告で控除すると、自己負担が2,000円で収まりません。年収600万円、住宅ローン控除30万円の例で計算すると、上限いっぱいの7万6,000円を寄附したときの自己負担は9,555円でした。ワンストップ特例なら2,000円です。

同じ寄附で7,555円の差が出ます。2026年分は所得税の基礎控除が大きく上がったので、この形に当てはまる人は去年より増えています。

自分が当てはまるか
自己負担が2,000円を超えるおそれがあるのは、住宅ローン控除を所得税から引ききれていない人が、確定申告をした年です。引ききれていないかは、源泉徴収票の「住宅借入金等特別控除可能額」が「住宅借入金等特別控除の額」より大きいかで分かります。確定申告になるのは、住宅ローン控除の1年目、医療費控除や副業・株・FXの申告をする年、寄附先が6自治体以上の年です。どちらかが違えば、ほとんどの人は2,000円で収まります。

この記事の数字の条件
2026年1〜12月の寄附(2027年度の住民税で控除されるもの)です。会社員で、給料のほかに収入がない人を想定しています。例に出す年収や控除額はすべて計算用の例で、我が家の数字ではありません。住民税は全国共通の標準の税率(市町村6%・道府県4%)で計算しています。

上限は、住民税の所得割の2割で決まる

ふるさと納税で住民税から戻る分のうち、一番大きい「特例控除」には上限があります。住民税の所得割(調整控除を引いたあと)の20%です。上限の寄附額は、この20%を「90% − 所得税率×1.021」で割って、2,000円を足すと出ます。

年収600万円、社会保険料90万円、生命保険料控除4万円の例では、住民税の課税所得が299万円、所得割が29万6,500円です。その20%は5万9,300円で、所得税率10%の人は79.79%で割るので、上限は7万6,000円ほどになります。

住宅ローン控除があっても、上限は下がらない

住宅ローン控除を使っている間はふるさと納税をすると損をする、と聞いてやめている人がいます。私もそう思っていました。上限を決める所得割は住宅ローン控除を引く前の額なので、住宅ローン控除が30万円あっても0円でも、上限は7万6,000円のままです。我が家は住宅ローン控除があった2024年分に上限の手前まで寄附して、ワンストップで全額戻っていました。

自己負担が2,000円を超えるのは、確定申告で控除した場合と、住宅ローン控除を引いたあとの住民税が寄附の控除より少ない場合です。後のほうは年収が低めで住宅ローン控除が大きい人に起きることがあり、住民税の通知書で所得割が0円になっていれば当たっています。

住宅ローン控除を引ききれない年は、確定申告だと寄附の1割が戻らない

ふるさと納税の控除は、ワンストップ特例なら全部住民税から、確定申告なら所得税と住民税の両方から戻ります。所得税の側で戻るのは、寄附から2,000円を引いた額に所得税率を掛けた分で、税率10%の人なら約1割です。

住宅ローン控除で所得税がもう0円になっていると、この1割は所得税からは戻りません。所得税で引ききれなかった住宅ローン控除は住民税から引かれますが、そこにも上限があります。2022年以降に入居した人は「所得税の課税所得×5%、最大9万7,500円」、2014年4月〜2021年に入居した人の多くは「7%、最大13万6,500円」です。この上限まで使い切っている人は、所得税で戻らなかった分がそのまま自己負担になります。

例 寄附 ワンストップ 確定申告
年収600万円・住宅ローン控除30万円 7万6,000円 2,000円 9,555円
年収600万円・住宅ローン控除20万円 7万6,000円 2,000円 2,155円
年収450万円・住宅ローン控除20万円 5万円 2,000円 6,850円
金額は寄附したときの実質の自己負担。記事の下の計算と同じ式で出した計算値で、実際の通知書ではありません。年収450万円の例は社会保険料60万円、どれも生命保険料控除4万円で計算しています。住民税から引ける住宅ローン控除の上限は、2022年以降の入居(5%・最大9万7,500円)で出しました。2021年までに入居した人(7%・最大13万6,500円)でも上の2行は同じで、年収450万円の例は7,810円になります

年収600万円で控除が20万円の人は、住民税に回る分が5万9,500円で上限の9万7,500円に届いていないので、確定申告でもほぼ2,000円で収まります。我が家の2025年分がこの形でした。年末に寄附した1件がマイナンバーカードの更新中でワンストップに間に合わず、年明けに確定申告で控除しましたが、住民税に回った住宅ローン控除が上限の内に収まっていたので、自己負担は2,000円のままでした。差が出るのは、住民税の側の上限まで使い切っている人です。年収450万円の例は、所得税の課税所得が148万円しかないので、住民税に回せる上限が7万4,000円まで下がり、確定申告で寄附金控除を入れるとその上限がさらに縮みます。

自分がどちらかは、源泉徴収票で分かります。「住宅借入金等特別控除可能額」が「住宅借入金等特別控除の額」より大きければ、所得税で引ききれていません。

医療費控除で確定申告をすると、ワンストップは取り消しになる

ワンストップ特例は、確定申告をしない人のための仕組みです。医療費控除や副業の申告で確定申告をすると、出したワンストップの申請は全部なかったことになり、寄附も確定申告に書き直すことになります。住宅ローン控除の1年目は会社員でも確定申告が要るので、その年も同じです。

医療費控除は、実際に医療費を払った人の申告で受けます。家族の医療費をもう一方が払っていれば、住宅ローン控除を使っている側はワンストップのままでいられます。

給料の出ない月が3か月あると、上限は2万円あまり下がる

休職などで給料が出ない月がある年は、上限も下がります。月給35万円、賞与180万円(年収600万円)の例で、3か月給料が出ないと年収は495万円になり、上限は7万6,000円から5万2,000円に下がりました。休んでいる間の社会保険料が免除される場合は、5万5,000円です。

休んでいる間に出る給付は税金がかからないものが多く、その分は年収にも入りません。

源泉徴収票を待つと、12月31日に間に合わない

その年の源泉徴収票が手に入るのは、12月の最後の給料か翌年1月です。それを見てから上限を計算すると、寄附の締め切りの12月31日にはほとんど残りません。

給与明細の多くには、その年の「収入の累計」と「社会保険料の累計」が載っています。秋の明細の累計に残りの月の見込みを足せば、源泉徴収票を待たなくても上限はかなり正確に出ます。見込みと実際の差が一番大きいのは冬の賞与なので、先に上限の8割ほどまで寄附しておき、12月の賞与の明細が出てから計算し直して残りを寄附すると、上限を超えずに使い切れます。

我が家の2025年分で試すと、9月の明細の累計から出した上限は、あとで住民税の通知に出た数字から計算した上限より4,486円低く出ました。社会保険料の見込みは16円しか違わず、ずれたのは10〜12月の給料です。

手元の明細や通知書で試せます

入れ方を4つ用意しました。いま手元にあるものを選んでください。住民税の決定通知書(今年の6月ごろ届いたもの)か、マイナポータルの「税・所得」から出すのが、推定が入らず一番正確です。去年と給料が変わる人は、給与明細の累計か見込みで試してください。

ふるさと納税の上限を計算する(2026年の寄附)
金額は円で入れてください。目安の計算で、実際の控除額は住民税の通知書で決まります。
入れた数字は、いま開いているブラウザの中だけで計算しています。どこにも送らず、保存もしないので、私にも見えません。
住宅ローン控除は、源泉徴収票の「住宅借入金等特別控除可能額」を入れてください。使っていなければ0です。配偶者の給与収入は、その年の見込みです(休業中の給付のような非課税の分は入れません)。配偶者がいなければ空欄のままにしてください。配偶者に副業などの給与以外の所得があると、控除は合計所得で決まるので、この計算より少なくなることがあります
源泉徴収票の「控除対象扶養親族の数」の欄で、「特定」が19〜22歳、「老人」が70歳以上(「内」の数が同居の親)、「その他」がそれ以外の人数です。16歳未満の子は扶養控除がないので入れません。上限も変わりません
どちらも利益から経費を引いた額です。海外FXや副業の利益は、給料と合わせて税率が決まります。国内FXの利益と、確定申告する株・配当の利益は、給料とは別に住民税5%で計算します。特定口座(源泉徴収あり)で申告しない株の利益は入れません。どちらかに入れると確定申告(または住民税の申告)が要るので、ワンストップは使えません


自己負担2,000円で収まる上限 —
ワンストップ特例での自己負担 —
確定申告での自己負担 —
2026年分の制度で計算しています(所得税の基礎控除は合計所得489万円以下で104万円)。生命保険料と地震保険料は、住民税でも所得税と同じ額を引くものとして計算しているので、上限は少し低めに出ます。年収850万円を超える人、住民税の税率が標準と違う自治体の人、上の欄にない所得(土地や建物を売った利益、退職金など)がある人、前の年からの損失を繰り越している人には合いません。障害者控除・ひとり親控除・寡婦控除・勤労学生控除を受けている人は、「住民税の通知書から」で計算してください。
この計算の結果に責任は持てません。同じ計算のしかたで我が家の2024年分(ワンストップ)と2025年分(確定申告)を出したところ、どちらもマイナポータルに出た住民税の寄附金税額控除・住宅ローン控除・所得割に1円単位で一致しました。

初期値は、年収600万円(月給35万円、夏と冬の賞与が90万円ずつ)の人が9月の明細を見ている例です。住宅ローン控除の欄を0にすると、ワンストップと確定申告の自己負担はほぼ同じになります。

2026年分は、所得税だけ基礎控除が104万円になった

2026年分と2027年分は、所得税の基礎控除に上乗せがあります(合計所得489万円以下で104万円)。住民税の基礎控除は43万円のままです。上乗せは2年間の時限措置なので、2028年分からは上限の計算も変わります。

上乗せで下がるのは所得税だけです。税率10%の人なら、控除が10万円増えるごとに所得税は約1万円下がり、年末調整で自動的に反映されます。ふるさと納税の上限は住民税で決まるので、ほとんどの人は変わりません。上限が下がるのは、所得税率が10%から5%に変わる人で、それでも所得税が軽くなる分のほうが大きく、損にはなりません。

特例控除の率を決める所得税率は、住民税の課税所得から「人的控除差調整額」を引いた額で判定します。2026年度の住民税からは、所得税の基礎控除のうち48万円を超える分もこの差に入るようになりました。判定額が195万円のあたりにある人は、年収が数万円違うと税率が5%と10%で入れ替わり、上限が4,000円ほど変わります。

2027年の寄附(2028年度の住民税)からは、特例控除に金額の上限も付きます。都道府県と市区町村を合わせて193万円で、これを超えるのは年収1億円前後より多い人なので、この計算では扱っていません。配偶者控除と配偶者特別控除は、2026年分から配偶者の合計所得62万円(給与収入なら136万円)が境目になりました。

編集後記

ベンチプレスの前回、9月26日は、先にトップシングルで112.5kgを1回挙げてから、90kgで10回を5セット挙げきりました。

10月1日はそこから2.5kgずつ足して、トップシングルの115kgは挙がり、92.5kgで10回を5セットの予定でした。1セット目は10回挙がって、2セット目は6回で止まりました。

そこから重さを90kg、80kgと落として、7セットまで続けました。重さと回数を掛けて足した総量で、予定の4,625kgに届かせるためです。挙げたのは4,530kg。95kg足りませんでした。

そのあと、予定の総量に届けばクリアと決めました。合計を先に決めて、中身はあとから合わせる。ふるさと納税の上限の使い方と同じです。

2026年10月4日

コメント

タイトルとURLをコピーしました